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離婚ブログ

過去の記事

養育費の支払確保手段

 離婚の際に養育費額を定めたとしても,その後義務者による支払いが滞ってしまうことが多いのが現状です。そこで,今回は,養育費の支払確保の手段について,ブログを書きたいと思います。 1 当事者間で養育費額が合意した場合は,執行受諾文言付公正証書で合意しておくとよいです。そうすれば,養育費の支払が滞った際は,給料の差押えなどの強制執行手続をとることが可能だからです。
    また,養育費について当事者間で取り決めができないときは,家事調停を利用することが考えられます。印紙代は1200円と比較的安価なため,気軽に利用することができます。それに,調停で養育費額について合意に達しない場合は,裁判所が審判手続で養育費額を決めてくれます(なお,離婚に伴う場合は人事訴訟で判断されることになります)。その結果,審判という強制執行可能な形で養育費額が決定されます。2 では,調停や審判などで養育費が定められた後に,義務者の支払いが滞った場合,どのように養育費の支払を確保して行けばよいのでしょうか。この点に関し,法は,以下の履行確保手段を用意しています。
    (1) 1つは,履行勧告です。履行勧告とは,調停や審判で定められた義務の履行を怠る義務者に対し,家庭裁判所が,権利者の申立てにより,義務を履行するように勧告をする制度です。しかしながら,履行勧告に従わない場合の制裁は定められていないため,実効性には乏しいのが現状です。
    (2) 1つは,履行命令です。履行命令とは,家庭裁判所が,権利者の申立てによって,義務者に対し,その義務の履行をなすべきことを命じる制度です。履行命令に従わない場合は10万円の過料に処される場合があります。
    (3) 1つは,強制執行手続です。強制執行手続をとるためには,調停調書,審判,判決が必要になります。また執行受諾文言付公正証書を作成した場合も強制執行手続を利用できます。相手方が給与所得者である場合などは,給料や賞与(ボーナス)の差押えを裁判所に申し立てられますので,有効な手段です。
    そして養育費の場合,不履行が一部でもあれば,将来の給料に対する差押えもできるようになり,また差押えの範囲も可処分所得の2分の1に広げられました。
        もっとも,勤務先等は差し押さえる側で調べなければならないため,勤務先が分からない場合は,強制執行手続も暗礁に乗り上げてしまうことがあります。
    (4)  その他,間接強制の方法等が存在します。3  まとめ
    養育費の支払を確保するためには,まずもって調停調書や審判,執行受諾文言付公正証書の強制執行可能な形で作成してください。
    そして,その後養育費の支払が滞ることがあれば,以上のような方法をとることで養育費の支払が確保することも考えられますので,一度検討してみてください。
    申立ての方法が分からないということであれば,いつでもお気軽にご相談ください。    名古屋藤が丘事務所 弁護士横田秀俊 

浜松事務所弁護士 横田 秀俊

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