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 離婚協議をしている際、話がまとまらないなどの理由により、どちらかが無断で離婚届を役所に提出してしまうことがあります。また、一度は離婚しようと決意し、離婚届に署名し、相手方に離婚届を渡したものの、やはり離婚したくないと思うこともあります。

 いったん離婚届が提出されて、戸籍に離婚したことが記載されると、これを訂正・削除するためには、裁判手続等が必要となり、大変な苦痛と労力を強いられることとなります。

 そこで、このような場合に、離婚届の不受理申出を行うことが必要となります。

 戸籍法27条の2第3項には、「何人も、その本籍地の市町村長に対し、あらかじめ、法務省令で定める方法により、自らを届出事件の本人とする縁組等(注:離婚も含まれます)の届出がされた場合であっても、自らが市役所又は町村役場に出頭して届け出たことを第一項の規定による措置により確認することができないときは当該縁組等の届出を受理しないよう申し出ることができる。」と規定されています。

 戸籍法施行規則53条の41項には、(原則として)「当該申出をする者が自ら市役所又は町村役場に出頭してしなければならない。」と記載されています。

 離婚意思がないにもかかわらず、相手方に無断で離婚届を提出されるおそれがある場合には、速やかに役所に出向き不受理申出を行うようにしましょう。

 相手方に離婚届を無断で提出される危険性がある場合、また、既に離婚届を無断で提出されてしまった場合には、弁護士に相談して、今後の対応を速やかに決める必要があります。

   名古屋丸の内本部事務所 弁護士 木 村 環 樹

 内縁という言葉を聞いたことあるでしょうか?内縁とは法律による婚姻の届出がなく正式な夫婦とは認められないが,当事者の意識や生活実態において事実上夫婦同然の生活をする関のことで,事実婚とも言われています。どのような関係があれば内縁と認められるかは難しい問題で,単に同居(同棲)しているだけではなく,家事を分担していたり,家計を管理したり,一緒に子供を育てていたり等,様々な事情から夫婦と同視できる実態があるかが判断されています。

 では,内縁関係を解消したい場合,法律婚における離婚と比較して違いはあるのでしょうか。

 内縁は法律上の婚姻ではありませんから,内縁を解消する場合に,夫婦の離婚に関する法律の規定をそのまま適用することはできませんが,他方で,出来る限り実態を重視して,法律上の結婚と同じように扱うべきと考えられています。

 例えば,内縁を一方的に解消することはできず,離婚事由と同様の正当な理由が必要と考えられています。また,内縁の夫が,第三者の女性と性的関係を持った場合には,不貞行為として,内縁の妻は,内縁の夫や,第三者の女性に対し慰謝料を請求ができますし,内縁解消の際,内縁関係が成立して以降に内縁の夫婦で築いた財産については財産分与が認められています。

 法的手続としても,離婚と同様,裁判所での調停等の手続もとることができますから,内縁の解消についても,法律上の婚姻における離婚の手続に近いといえるでしょう。

 内縁解消の問題は,離婚ほどメディアで取り上げられることもなく,インターネットなどを見てもあまり扱われていません。どのようにすればよいのかお一人で悩まれている方もいらっしゃるのではないでしょうか。内縁を一方的に解消された,あるいは内縁の相手との関係に耐えられず内縁を解消したいといったお悩みにつきましては,是非弁護士にご相談頂ければと思います。

  名古屋丸の内本部事務所 弁護士 渡 邊 健 司

 

離婚をするときに決めなければならないことの1つとして,財産分与があります。

土地建物,自動車,預貯金,生命保険,株式のほか,退職金なども財産分与の対象となることがあります。いくつか,よく問題となる点をQ&A方式で記載します。

 

Q:婚姻前からもともと持っていた資産は,特有財産になるのですよね?

A:なります。

しかし,単純に「別居時の資産合計-婚姻時の資産合計=財産分与対象財産」となるわけではありません。結婚前からの財産がそのまま維持されていれば特有財産と認定されやすいのですが,長年の結婚生活で混在してしまった場合は,特有財産と認定されないこともあります。

例えば,男性側から依頼を受け,婚姻時に,ゆうちょ銀行の口座に300万円,三菱東京UFJ銀行の口座に100万円の資産があったとします。そして別居時にはゆうちょ銀行の口座に50万円,三菱東京UFJ銀行の口座に600万円の資産があったとします。男性側の特有財産は単純に「300万円+100万円=400万円」となるわけではありません。

婚姻時のゆうちょ銀行の300万円が,どのように使われ,三菱東京UFJ銀行の口座と同質性があるのかを,取引履歴から判断していくことになります。この混在したという論点は,調停,訴訟が進行しますと,次第に細かく,熾烈な主張の対立が生まれます。

この点は,裁判所の調停委員や審判官,裁判官によっても見解も分かれるところでしょうから,早めに弁護士にご相談いただいた方がよいだろうと思われます。

 

Q :財産を絶対に隠していると思うのですが,特定できない場合,どうなるのですか。

A :残念ながら裁判所が自ら財産を探してくれる制度はありません。開示された預貯金通帳や保険,投資商品などの取引履歴を精査し,一つ一つ担当弁護士と二人三脚で探していく作業が必要となります。発見できなかった場合,対象財産はないものとして扱われます。

 

Q: 別居時に1000万円あった資産が,別居後離婚までの間に生活費や弁護士費用等で費消し,今は600万円しかありません。別居時と離婚時,どちらを基準に財産分与を判断するのでしょうか。

A :実務上,離婚時の財産ではなく,別居時の財産で判断します。別居後に財産を使用したからといって,支払額が減額されるわけではありません。

 

Q: 子ども名義の預貯金は財産分与の対象となりますか?

A :子ども名義の預貯金であっても,夫婦で築きあげたと評価できる場合は,共有財産であり,財産分与の対象となります。但し,例えば貰ったお年玉を貯めていた,というような,子ども特有の財産と評価できる場合は,特有財産になることもあります。この点は,よく争いになりますが,原告・被告双方にて争いにするのか否かを協議し,争点から外すこともあります。子ども名義の預貯金も,取引履歴をよく確認していただき,共有財産とすべきか否かを合理的に判断してきましょう。

 

Q: 金融機関から開示された取引履歴の読み方が,よく分かりません。どうすればよいでしょうか。

A :定期預金と定期積金の違いであったり,投資商品の説明であるなど,金融機関から開示された書類には説明書があるわけでもなく,理解が難しいのが実際です。通帳の読み方や資料の読み方はよく分からないままにせず,実際に金融機関の窓口に行き,その意味を納得するまで聞きましょう。我々弁護士も全てを理解しているわけではなく,通帳の記載や開示された資料の記載は,一つ一つ,依頼者と共に読み方を確認します。また,名古屋地区の金融機関ならある程度は慣れていますが,例えば證券会社からの開示資料などは,依頼者と一緒に窓口に行き,窓口でその記載の意味を質問をすることもあります。弁護士とともに理解をする,という気持ちで取り組む必要があります。

 

Q: 財産分与の請求は,弁護士に依頼をした方がよいのでしょうか。

A :弁護士に依頼をしなくてもできることもありますが,特有財産か否かなどの法的な争点も存在しますし,退職金を始めとする,請求漏れも考えられます。また,実際は,開示された資料の整理や読み方の確認,そして財産目録作成などの,ファイリングという点での代理人弁護士の役割も重要です。弁護士に法律相談をして,率直に,弁護士に頼むと何をしてくれて,費用がどれくらいかかるのかを尋ねてみるとよいでしょう。

名古屋丸の内本部事務所  弁護士 森 田 祥 玄

 浮気をしてしまった有責配偶者は、親権者にはなれないと誤解されている方がいらっしゃいますが、有責配偶者が親権者になれないということはありません。

 親権者は、子どもにとって、どちらが親権者になる方が良いかという観点から決められるものであり、基本的に、浮気の問題は親権とは別問題と考えられます。

 もっとも、浮気のために子育てがないがしろになっていたというような事情があれば、それは子との接し方の面でマイナス評価される可能性はあります。

 いずれにしても、浮気については、親権の問題ではなく、慰謝料の問題として解決されるべき問題といえます。

 しかしながら、浮気をしてしまったという負い目があると、ご自身で交渉する場合には、交渉が行いにくいという現実的な問題があります。

 その場合は、交渉を弁護士に依頼することを検討する必要があります。

 親権者を一度決めてしまうと、相手方に虐待や育児放棄などの特別な事情がないと親権者を変更することは難しいという現状がありますので、親権者を決める場合は、落ち着いて冷静に判断することが必要となります。

 現在は、インターネットの発達により、様々な情報が飛び交っていますが、中には正しくない情報が混在していることも多いです。

 思い込みによって、後悔しなくて済むように、一度弁護士に相談することをおすすめします。

名古屋丸の内本部事務所  弁護士 水 野 憲 幸

 離婚に際して子どもを引き取った親を監護権者,他方の親を非監護権者と呼んで,あるケースを紹介いたします。

 子どもが会いたくないと言っているので面会交流を拒否することはできますか?

 こんな相談を受けることがあります。なかなか回答が難しい問題です。

 

 面会交流とは,親の離婚によっても,子と非監護権者との間の親子関係は継続しており,子と非監護権者が交流することが,子の成長の過程で利益に資すると考えられているために実施されるものです。子どもが会いたくないにも関わらず,非監護権者に無理矢理会わせることで,子どもの心に傷を与えることになれば本末転倒となります。そのため,子どもが会いたくないということを理由に面会交流を拒否すべき場面があることは確かです。

 

 他方,子どもにとって,親が離婚することで非監護権者とは離れて生活することになります。監護権者とのみ一緒に生活することで,知らず知らずのうちに,一緒に生活する監護権者に気を使って,「非監護権者に会いたくない」と言っているのかもしれません。 

 

 このように,子が非監護権者に会いたくないといっている場合,まずはその理由をしっかりと把握しなければなりません。監護権者に気を使っているだとか,非監護権者に会うのが何となく気まずい,と感じていることが理由であれば,監護権者としては非監護権者との面会交流を後押しし,面会交流を実施しやすい状況作りに協力すべき場合もあります。一度面会交流を実施することで,面会交流に対して子どもの抵抗がなくなるのであれば,やはり面会交流が子どもの成長の過程に資することになるからです。

 

 監護権者と非監護権者とは離婚した関係ですので,監護権者にとって,子どもと非監護権者とが交流することに抵抗を感じることは珍しいものではありません。そのため,子どもが,「非監護権者に会いたくない。」と発言すれば,その言葉を鵜呑みにして面会交流を拒否してしまうことも珍しいものではないと思います。

 

 しかし,面会交流は,子どもの成長の過程で利益に資するという観点から実施されるものですので,子どもが「会いたくない。」と言ったとしても,監護権者としては,子どもとしっかりと話し合って,子どもが本当に「会いたくない。」と思っているのかを見極めなければなりません。監護権者にとって,これは理屈では分かっても,実際に行動に移すとなると難しいものかもしれません。面会交流の実施について,悩むことがあれば,一度ご相談下さい。

     春日井事務所  弁護士 森下 達

 

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